金属を切断、圧接する機械などに使われる産業ガスの販売を巡り、メーカー各社が価格カルテルを結んでいた疑いが強まり、公正取引委員会は19日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで産業ガスメーカー最大手「大陽日酸」(東京都品川区)など十数社を立ち入り検査した。公取委が74年に独禁法違反を認定した企業もあり、業界に再び同様の疑惑が浮上した。
その他の立ち入り先は業界2位のエア・ウォーター(大阪市)、高圧ガス工業(同)などで、検査対象は本社や支社など約40カ所。
関係者によると、各社は遅くとも03〜04年以降、複数回にわたって値上げの額や率を決めて実行した疑いが持たれている。本社の役員クラスが会合したほか、地方でも営業担当者が協議していたとみられる。各社は値上げした際、原料の値上げや原油価格の高騰に伴う輸送コストの上昇を理由にしていた。
公取委は各社が溶解アセチレンや酸素など産業ガス全般でカルテルを結んでいたとみている模様だ。溶解アセチレンは、金属の切断・圧接などの作業を行う圧接業者や、鉄鋼・造船・建設業者向けに出荷されている。産業ガス全体の市場規模は08年度で約4900億円弱に上る。【苅田伸宏】
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